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2009年10月31日 (土)

トム・トラバーツ・ブルース(Tom Traubert's Blues) トム・ウェイツ(Tom Waits)

【解説】フジテレビの開局50周年記念ドラマ、山崎豊子の『不毛地帯』のエンディング・テーマになったのは、トム・ウェィツの「トム・トラバーツ・ブルース」でした。
しゃがれ声というか、アルコールとタバコで故意に声をつぶしてしまったかのようなあの声。
こういうヒット・チャートとは無縁の古い洋楽が、TVのテーマソングに選ばれるのは、洋楽ファンにとってはうれしい限りです。
さて「トム・トラバーツ・ブルース」は、1976年のアルバム『スモール・チェンジ』からの1曲目に収録された曲で、ロッド・スチャアート他のアーティストにもカバーされた名曲である。
歌詞のサビの部分には「ワルチング・マチルダ」というオーストラリアのフォークソングが引用されている。元々「ワルチング・マチルダ」とは「ワルツを踊るマチルダという女性」という意味ではなく、waltzは「当てもなくさまよい歩く」、Matildaは「放浪者が持つズタ袋」という意味らしい。
それが歌詞の中では、女性で、100人殺した被告人に変わっている。
歌詞は難解で、何を言わんとしているのか、理解するのは難しい。
歌詞に登場する人物は社会の底辺に生きる人たち。
タクシー運転手、車椅子の老人、ストリッパー、酔っ払い、清掃人、夜間警備員、そして野良犬。彼らにおやすみと優しい言葉をかけるトムの暖かい目線を感じる。


トム・ウェイツの他の名曲訳詞 →  オールド55(ol'55)

小銭を持って旅に出よう

                                            by Tom waits

疲れ果てて傷ついてしまった
でも、それは月のせいでないんだ
今になって昔の報いを受けてるだけさ
やあ、また明日会おうよ、ヘイ、フランク金を貸してくれないか
2、3ドルでいいんだ
放浪の旅に出るんだ、ワルチング・マチルダさ
お前も旅に出ないか、俺と一緒に

俺は袋小路に迷い込んだ罪のない犠牲者さ
ここにたむろしている兵隊たちにはうんざりさ
どいつも英語をしゃべれやしない、すべてめちゃくちゃだ
そして俺のステイシー・アダムスの靴はびしょ濡れだ
放浪の旅に出るんだ、ワルチング・マチルダさ
お前も旅に出ないか、俺と一緒に

野良犬は吠え立て、タクシーは不法駐車で道を占拠
やつらも俺のために役立つことはいっぱいあるさ
お前に頼んだんだ、俺を一思いに刺してくれって
やつは俺のシャツを引き裂いちまった
そして今夜、俺はやめてくれって土下座をしてる始末さ
オールド・ブッシュミルをあおってふらふらだ
お前はナイフを土に埋めちまった
お前のシルエットが窓の明りに映しだされる
放浪の旅に出るんだ、ワルチング・マチルダさ
お前も旅に出ないか、俺と一緒に

今じゃ旅の守り神、聖クリストファーにも見放されちまった
昔は彼女にキスをしたんだけど
スロットマシーンはわかってるさ
一匹狼の中国人と冷血漢たち
ストリップショーの女たち
出よう放浪の旅に、ワルチング・マチルダ
お前も旅に出ないか、俺と一緒に

いらないよ、お前の同情なんか
放浪者たちは言ってるよ、今じゃどの街にも夢などありゃしない
おまわりの殺人事件の捜査と記憶を売り物にする亡霊たち
やつらはとにかく目先の手柄が欲しいだけさ
放浪の旅に出るんだ、ワルチング・マチルダ
お前も旅に出ないか、俺と一緒に

どの船乗りにも聞いてみな、看守から鍵を手に入れる方法を
車椅子の老人はたちはわかってるさ
マチルダは被告で、彼女は100人殺したって
逃げたってどこまでだって着いてくるさ
放浪の旅に出るんだ、ワルチング・マチルダ
お前も旅に出ないか、俺と一緒に

そいつはどこかのホテルに見かけるような
ボロボロの古いスーツケースだな
そして、決して癒えることのない痛み
ここには香水の香りのするプリマドンナなんて居やしない
血とウイスキーのシミがついた古いシャツ
お休み、路上の清掃人たち
火の用心の夜間警備員たち
そしてマチルダにもおやすみ

(NO.133)

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