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2010年10月 2日 (土)

懐かしき恋人の歌(Same Old Lang Syne) ダン・フォーゲルバーグ

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【解説】タイトルにはクリスマスを連想させる文字はないが、隠れた名クリスマス・ソングである。ダン・フォーゲルバーグのバンド・リーダーの贈り物を紹介したときに、同じ『イノセント・エイジ』収録のこの名曲も紹介するつもりでしたが、クリスマス・シーズンまでとって置いたのでした。クリスマス・イヴの夜に、昔の恋人に偶然再会し、懐かしい昔に戻りひと時を過ごすという、映画のワンシーンにでも出てきそうな情景を連想させる。歌詞というより美しい私小説を読むようである。(歌詞の中の心理描写は深いものがある)
 
昔の恋人に偶然再会するパターンは竹内まりやの名曲『駅』と同じようなシチュエーションであるが、あれは恋人を陰で静かに見守る女心の歌。でもこの男(ダンさん?)は、彼女に声を掛けて、彼女の車でビール6缶持ち込みの酒盛りをしでかすという大胆さ。
 
彼女はすでに結婚していたが、自分を思いやって決して相手を愛しているとは言わなかった。男は別れてからの2人の関係を友達という言葉で表わしたが、でも彼女が喜んでくれたがどうか解らない。やがて話も尽き、別れの時が‥‥‥彼女の車を見送り、一人家路に着く私は切なさに胸が締め付けられる。気がつくと雪はいつの間にか雨になっていた.....
ミュージック・イン <蛍の光>        (マイケル・ブレッカーノのサックス・ソロ)
イメージだけで、恋愛映画のシナリオが書けそうです。
ダン・フォーゲルバーグは、2007年にクリスマス・イヴを待つことなく、12月17日に亡くなってしまいました。(でも彼の美しい歌は多くの人に聞き継がれることでしょう)

                        ~懐かしき2人の想い出~

 by Dan fogelberg

食料品店で昔の恋人に会った
雪の降るクリスマスイブの日だった
冷凍商品コナーの陰からこっそり彼女に近づき、彼女の袖に触れた
最初は私の顔に気づかなかったが
やがて彼女は目を大きく見開き
私に抱きつき、その拍子に財布の中身をばらまいてしまった
私たちは、懐かしさに笑い合い、やがてそれは涙に変わった
食料品ををレジに運び、勘定を済ませバッグにいれた
私たちは気まづさに当惑したように立ちつくしていた

だらだらと話を交わしながら
私たちは、軽く1,2杯飲みに出かけた
でも空いてる酒場はなかった
酒屋でビール6パックを買ってきた
そして彼女の車で飲んだ

純粋だったあのころの2人に乾杯、そして今の私たちにも乾杯
虚しさから逃れようとしたが、その術を知らなかった
彼女は、建築家と結婚していると言った
暖かい人で安定していて飾らない人だと
女の口から愛しているという言葉は出なかった
でも彼女は嘘を言えない人だから
あれからも2人はずっと友達だったねと彼女は言った
彼女の目はずっと暗い目をしていた
でも彼女の目に疑いあるいは感謝が在るかは解からなかった
彼女は私をレコードショップで演奏しているのを見かけたと言った
その時、「あなたも頑張っているんだ」と思ったと言ってくれた
私は言った、観客は天国だが、ツアーは地獄だよ

純粋だったあのころの2人に乾杯、そして今の私たちにも乾杯
虚しさから逃れようとしたが、その術を知らなかった
純粋だったあのころの2人に乾杯、そして時代の流れに乾杯
詩で例えるなら<蛍の光=懐かしい昔>に戻ったようだった
ビールを飲み尽くし、2人話し疲れてしまった
やがて話も尽きてしまった
彼女は別れ際に私にそっとキスをした
私は車を降り、彼女の車を見送った
しばらくの間、私は学生時代に戻っていた
やがて昔懐かしい胸の痛みを感じた
そして家路に着くため道を曲がったとき
雪は雨に変わっていた

(NO.73)

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