プロテスト・ソング

2009年7月 2日 (木)

サタデー・イン・ザ・パーク(Saturday In The Park)       シカゴ(Chicago)

【解説】土曜日の昼下がり、公園を散歩しながらI-PODでよく聴いていた。
土曜日で明日も休みだという、精神的に余裕のある、のんびりした雰囲気を醸し出す曲。
シカゴの「サタデー・イン・ザ・パーク」である。1972年に全米ビルボード3位を記録。
日本でも度々、TV-CMに使われるおなじみの曲。
 でも歌詞を読めば、ただ休日の公園の情景を歌ったものではない。
曲の雰囲気とは裏腹に、反戦ソングとも読み取れる、メッセージ・ソングである。
7月4日とは、アメリカの独立記念日である。曲の作られた1972年はベトナム戦争も終結間近の時期。
土曜日の公園でのんびり過ごす人もいれば、戦場で生死を賭けた修羅場を駆け抜ける人もいる。「本当の祝福を僕たち皆んなは待っているのさ。僕は長い間待っていたのさ、今日という日をね。」
この詩は戦争の終結を待ち望む平和の願いがこめられたものなのだろう。
奇しくも今年の7月4日は土曜日である。
残念ながら私は公園でなく、会社で仕事である。

              ~7月4日は独立記念日~

                                          
By Robert Lamm

土曜日の公園だったね
あれは7月4日、独立記念日だったと思うよ
土曜日の公園だったね
あれは7月4日、独立記念日だったと思うよ
みんな踊っているよ、みんな笑っているよ
アイスクリーム売りの男がいて
イタリア語の歌を歌っている
(*********)
君には分かるかい?(もちろん、わかるよ)
そうさ僕はこんなに長い間ずっと待っていたのさ
この土曜日をね

土曜日の公園だったね
君はあれは7月4日、独立記念日だったと思うかい
土曜日の公園だったね
君はあれは7月4日、独立記念日だったと思うかい
みんなおしゃべりをし、心から笑っているよ
ギターを弾いている男がいて
僕たちみんなのために歌を歌っているよ
彼が世界を変える手助けをしてあげなよ
君に分かるかい?(もちろん分かるさ)
そうさ僕はこんなに長い間ずっと待っていたのさ
今日という日をね

のんきなライダーは独立記念日の旗を掲げているよ
ブロンズ像の男(ワシントン)の言葉は今も生きているんだろうか
『子供たちよ耳を傾けな
戦争に負けたからって
すべてを失ったわけじゃないんだ
すべてを失ったわけじゃないんだ』

おかしな日の公園だった
毎日が7月4日独立記念日さ
おかしな日の公園だった
毎日が7月4日独立記念日さ
みんな手を伸ばし、触れ合う
本当の祝福が
僕たちみんなを待っているのさ
僕たちが望むなら、本当に望むなら
君に分かるかい?(もちろん分かるさ)
そして僕はこんなに長い間ずっと待っていたのさ
この日を
(NO.116)

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2009年5月14日 (木)

ファースト・カー(FAST CAR)                    トレイシー・チャップマン(Tracy Chapman)

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【解説】フォーク・シンガー トレイシー・チャップマンの1988年デヴュー・アルバム「トレイシー・チャップマン」からのシングル曲「ファースト・カー」。貧しい労働者階級のわたしの楽しみは無職の彼の車でぶっ飛ばすこと、その時だけは現実を忘れさせてくれる。
その瞬間は違う誰かになれそうな気きがする。なんと刹那的な詩なんだ。
現代の格差社会にも通じるプロレタリア・ソングである。
日本のシンガー・ソング・ライターどもよ、軟弱なラヴソングばっかり作ってないで、貧困層のメッセージとして蟹工船ソングを作ってみろ!



                   ~貧困からの疾走~

                                                            By Tracy Chapman

あんたはスポーツカーを手に入れたんだって
私はどこへでも行ける通行証が欲しいわ
たぶん私たちが取引をすれば
たぶん2人でどこへでも出かけられるわ

どんな場所でもいいのよ
ゼロからのスタートだから失なうものは何も無いの
きっと何かは手に入れられるだろうけど
でも自分の存在を証明するものは手に入れなかったけれどね

あんたはスポーツカーを手に入れたんだって
私はここから抜け出す計画があるのよ
私はずっとコンビニで働いてきたわ
わずかなお金をなんとか切り詰め貯えてきたわ
そんな遠くまでドライヴする必要はないわ
県境を越えて街へ行くだけでいいわ
あんたも私も仕事が見つかるわ
そうすればきっと生活してるっていう意味がわかるわ

あんたも知ってるけど、私の年老いた父は問題があったの
父は年中酒浸りでね、そんなことはよくある話だけど
父が言うには、「体が老いぼれて働けない」って
「あんたの体は見た目以上に若い」って私は言うけど
私のママはさよならも言わず家を出て、父と別れたわ
ママにとって何にも得られるものがない父だったからね
誰かが父の面倒を見なければならなくなったの
だから私は学校を辞めたの
それが私にできるすべてだったの

あんたはスポーツカーを手に入れたんだって
でも空を飛んでいくらい速いかい
私たちはとうとう決心したの
今夜ここを出て行こうって
さもなけば、こんな風に生きて死んでいくだけ

私は覚えてるわ、2人でドライヴした時のことを
あんたの車でね
スピードが速すぎて酔っ払ったような気分だったよ
街の灯りが眼下に広がり
私の肩に廻したあんたの腕の感触が気持ち良かったわ
そして私はあなたと一緒になれた気がしたの
そう、違う誰かになれそうな気がしたの
現実の自分とは違う誰かになれそうな、違う誰かにね

あんたはスポーツカーを手に入れたんだって
楽しむために飛ばそうよ
あんたはまだ職に就けないけど
私はスーパーのレジ打ちで働くわ
事態は良くなると思うわ
あんたも仕事が見つかるだろうし
私の収入も増えるでしょう
掘っ立て小屋から抜け出すのよ
大きな家を買い郊外ですむのよ

あんたはスポーツカーを手に入れたんだって
私の借金を払い切るぐらいの仕事に就けたわ
あんたは夜遅くまでバーで酒を飲んで家に帰らない
あんたは子供の世話をするより、友達付き合いが大切なの
私はいつも楽観的に考えてきたわ
あんたも私もきっと幸福を手にすることができるって
私にはこれといった計画もなかったし、行く当てもない
だからあんたのスポーツカーに乗って、走り続けるのよ

(NO.105)

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2008年12月31日 (水)

New Year's Day(ニュー・イヤーズ・デイ)                     U2

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【解説】新年を迎え、新年の曲を1発。U2の「New Year’s Day」。サウンドといいい、歌詞の内容といい、おめでた気分を目覚ませるき緊迫感、緊張感がある。昔のフォークソングでは岡林信康、高田渡とかの社会性のあるメッセージ性の強い歌もあったが、最近はまったくお目にかからない。サラリーマンの応援ソングなんかいらない、もっと反政府ソング等の過激な歌が出てこないものか。

                       ~新年の誓い~

静まりかえった、新年の日
世界は雪の白い色で染まりつつある
俺は君と一緒にいたいんだ
夜も昼も君と一緒にいたいんだ
新年を迎えたけれど何にも変わっちゃいない
新年の日に

また君と一緒になりたいよ
また君と一緒になりたいよ

血で染めたような赤い空の下
どこからか民衆は集まってきた、黒と白の旗を持ち
腕を組み、選ばれた少数精鋭が
新聞ではこう言う
起きてることが真実なんだと、そいつが現実なんだと
そして俺たちはその現実を打ち破ることができるんだ
たとえ俺たちは2つに引き裂かれても
俺たちはひとつになれるんだ

俺は、俺はまたやるぜ
俺は、俺はまたやるぜ

オー
今がその時かもしれない
オー、それは今夜かもしれない

また君と一緒になりたいよ
また君と一緒になりたいよ

そうさ俺たち聞かされてきたよ、今が黄金時代なんだと
黄金とは俺たちが戦争を行う言い訳だ
俺は君と一緒にいたいだけさ
夜も昼も君と一緒にいたいんだ
何も変わりゃしない
新年の日に
新年の日に

(NO.78)

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2008年10月18日 (土)

シャウト・ツゥ・ザ・トップ(Shout to the top)        スタイル・カウンシル(The Style Council)

【解説】曲名は知らなくても、どこかで耳にしたことがあるはず。フジTVのワイドショー『とくダネ』のオープニングでかかっている、おしゃれでポップで乗りのいい曲です。ポール・ウェラーのスタイル・カウンシルの名曲で1984年の作品です。彼らの音楽は、ジャズやソウル、パンク、ニューウェイヴ、ネオアコまで様々な音楽がミックスされています。当時バブル全盛時代、日本でもおしゃれな音楽として歓迎されました。ただし歌詞は労働者階級の若者の怒りを表した、プロテスト・ソングです。英語を聞き取れない日本人にとっては、ただのおしゃれなロックなのでしょう。『若者よ、今こそ上層階級に向かって声をあげて叫ぶんだ!』格差社会で喘ぐまさに時代にマッチしたオープニング曲ですね。優等生みたいに人生の応援歌ばかり唄わないで、日本でもこういう過激な歌を唄う、骨のあるアーティストが出てきた欲しいものです。

                         ~若者よ叫ぶんだ~

 俺は中途半端に不安で、困った状態だった
そして雨が降ってきたとき、俺はひざまづき祈ったんだ
俺は言った「オー、聖なる神よ、どうか俺の魂を清めてくれ、
今まですべてのオファーに目を通してきたが
まったく心が動かされないんだ」って
俺は家に帰る途中だったが、半分狂いかけていた
そして俺がそのとき目にする店のショー・ウィンドはどれも同じに見えたんだ
俺は頼んだよ「俺の人生を救うために神のお告げをください」って
なぜなら現在、俺の周りには確かなものは何も無いんだから

君にも解るだろ、自分が生まれた時から状況が何も変わってないっていう
現実を初めて知ったときは、それは恐ろしいことだぜ
そして(このまま踏み留まった方がいいと)誰に頼まれたわけではないが
俺はいつも毎日自分に言い聞かせているんだ
背中を叩かれたときに、お前の人生は転落さ
底辺に落ちてしまって喘いでいるときには、トップにいる奴らに
叫ぶ以外に何もないんだぜ
俺たちはトップにいる奴等に声をあげて叫ぶんだ!
俺たちはトップにいる奴等に声をあげて叫ぶんだ!

(NO.52)

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2008年8月16日 (土)

哀愁のマンデー(I don't like mondays) ー ザ・ブームタウン・ラッツ ー

~理由なき殺人~

                            by Bob Geldof

少女の頭の中のシリコン・チップは、スイッチを入れたらオーバーロードしちまった

今日は誰もが学校に行きたくない日だ

そして少女起こした事件おかげで、皆は学校に行かなくてよくなった

少女の父親にはそのことが理解できないんだ

少女の父親はいつも言っていた、おとなしい娘だったんだと

父親には娘が(何故そんな事件を起こしたか)理由が解らない

なぜなら、初めから理由なんかないんだから

解ってもらうには、どんな理由が必要なんだ

 

(何故そんな事件を起こしたのか)理由を教えてよ  … わたしは月曜日が嫌だからよ

理由を教えてよ  … わたしは月曜日が嫌いだからよ

理由を教えてよ  … わたしは月曜日が嫌だからよ

ただライフルを撃ちっ放したかっただけ

その日は一日中憂鬱だからよ

 

テレックス・マシンは綺麗に磨かれ

そして世界に向けて事件の詳細は発信される

そして母親は相当ショックだった

父親の頭も動揺していた

そして両親の考えは自分の小さな娘に向けられた

可愛い16歳の少女はただのお嬢様じゃないいんだと

そうじゃない、失敗を認めることはりっぱなことじゃないけど

両親には理由が解らなかった

なぜなら、初めから理由なんかないんだから

解ってもらうには、どんな理由づけが必要だというんだ

 

今や運動場は閉鎖され、外で遊ぶことは禁止された

少女は少しの間(ライフルという)おもちゃで遊びたかっただけなんだ

学校は早めに切り上げられ、そしてやがて僕たちは学ぶだろう

今日の授業のレッスンは、「どうしたら人は死ぬか」ということだったと

それから世間では雑音を立て始める

学校の指導者たちは事件の問題性を取り上げる、

どうしてこんな銃撃事件ができたたの?何故こんな事件を起こしたの?

彼らには理由など解りっこない

なぜなら、初めから理由なんかないんだから

解ってもらうには、どんな理由づけが必要だというんだ

【解説】秋葉原の事件といい、最近無差別事件が続発している。この曲は30年前に実際にアメリカで起きた無差別殺人を題材にしていることは有名である。1979年1月29日月曜日に16歳の少女が、小学校の校庭で遊ぶ子供を狙ってライフルを乱射した。逮捕後の釈明で何故銃を撃ったかを聴かれ、「I don't like monday. This lives up the day. I had no reason for it.」と答えたと言われている。

曲はブームタウン・ラッツというよりライヴ・エイドのというほうがわかりやすい、ボブ・ゲルドフの作品。曲の背景にある重い内容と裏腹に、明るい曲調で、サビのコーラスが気に入っている。全英ビルボードではNO1になったが、事件のあった全米では73位どまりに終った。(NO.34)

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2008年7月 5日 (土)

雨を見たかい(Have You Ever Seen The Rain?)           - CCR -   

                              ~歌詞はベトナム反戦ソング~

 By Jhon Fogerty

昔誰かが俺に言ってたよ、嵐の前は穏やかなんだって
わかってるよ、しばらくの間は静けさが続いてるってことはね
でもそいつが終った時には、そう皆な言うぜ、晴れた日に爆弾の雨が降るんだって
わかっているよ、そいつは水のようにキラキラ輝くんだって
俺は知りたいよ、お前は爆弾の雨を見たことがあるかい?
俺は知りたいよ、お前は爆弾の雨を見たことがあるかい?
晴れた日にやってくる爆弾の雨をね

昨日、おとつい、太陽は冷たくて雨のほうが激しい熱かった
わかってるよ、俺のいた間中ずっとそんな風だった
永遠に続くんだ、爆撃は円陣を通り抜け、速くなったり遅くなったり
わかってるよ、それを止められないって、そう思うよ

【解説】

CCRのヒット曲の中では、日本で一番有名でしょう。1971年全米8位。CCRはR&B系の泥臭い曲が多く、日本人にはこのフォークロック調のこの曲が合うのでしょう。日本人ミュージシャンのカバー、CMソングにも何度か使われていました。

明るい曲調にもかかわらず、歌詞の内容は60年代末期によくあった、反戦ソングです。ちなみに「雨」とは、ベトナム戦争に使用されたナパーム弾のこと。アメリカ軍の開発した焼夷弾で、きわめて高温(900~1300度)で燃焼し、広範囲を焼き尽くし、破壊するという。(NO.21)

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